【子どもの性教育】小学生になる前に始めた方がいい理由

【子どもの性教育】小学生になる前に始めた方がいい理由

「子どもに生理や妊娠について聞かれて困った」「性教育って思春期からでは遅いの?」「低年齢で性について話すのに抵抗がある」と頭を抱えた経験はありませんか。

子どもが性犯罪の被害者・加害者になって欲しくないけれど、性に関する話をいつ、どのタイミングでするか悩んでいるパパやママは多いかもしれません。


適齢期は3~10歳

性教育は3歳から始められ、適齢期は3~10歳のあいだ。低年齢から性の話をするのは、早すぎるのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

思春期になると、子どもは親から離れたがります。親の話を素直に聞く3〜10歳が最もいい時期なのです。また、年齢が上がるについて、制限なしに動画やSNSにアクセスします。性犯罪の被害に合わないためにも低年齢のうちから性教育について親子で学んでおくべきではないでしょうか。

プライベートゾーンの話から始める

未就学児の3歳〜6歳に性教育を始めるときは、まずプライベートゾーンの話をしましょう。プライベートゾーンとは水着で隠れる場所のこと。女の子は口・胸・おしり・性器。男の子は口・おしり・性器です。

プライベートゾーンは「自分のからだの大事なところ」。人から見たがられたり、触られるのは「やめて」と拒否して良いと伝えましょう。興味本位で見たがったり、触るのは相手を大事にしていないので、やってはいけないと繰り返し言う必要があります。

話をするタイミングは、お風呂の時間がベスト。「水着でかくれる場所は体の大事なところだから自分で洗おうね。」と声かけをするところからスタートするといいでしょう。

我が家の場合、子どもが4歳のとき、親のプライベートゾーンを触りたがる時期がありました。当時はおもちゃなどで気をそらしていましたが、今振り返るとその時が話すいい機会だったのでは思います。

「赤ちゃんはどこからくるの?」という質問には隠さず答える

子どもから「赤ちゃんはどうやってできるの?」と聞かれたら、はぐらかさずに答えましょう。だいたい5、6歳になると聞いてきます。

我が家も同じで、ちょうど年中になった時期に、聞かれました。どう答えようかと迷ったあげく、お腹から出てくるんだよと凄く曖昧に答えることしかできなかったのを覚えています。
しかし、のじまなみさんの著書によると、医学的な用語を使ってハッキリと伝えていいんだとか。
「精子と卵子がくっついて、女の人の子宮で赤ちゃんが育って、膣をとおって産まれるんだよ」と答えていいそうです。さらに「精子と卵子ってなに?」と質問が深まる場合は、また大きくなったら話そうねと伝えましょう。

「パパとママも?」と夫婦のセックスについて聞かれた場合は、「プライベートなことは話さないよ」と子どもに伝えます。子ども自身もそういうことは話さなくていいんだと、理解して、プライベートゾーンを守るお手本にもなります。

ここからさらに性教育を深掘りした内容をお伝えしていきますが、その前に少し本を紹介しようと思います。

性教育についてオススメの本|年代別

性教育の本も大人向けのものから、幼児が読める内容まで幅広く出版されています。子どもの性に対する興味のもちかたは年齢によって違うからです。子どもたちがYouTubeやネット検索で知識を調べるのは簡単ですが、なかには悪意のある間違った情報も。

以下は大人向け、子ども向けの本です。どれもイラスト付きで子どもでも見やすいのが特徴。ぜひ、手にとってみてください。

子どもへ性の教え方を知りたいパパママ向けの本3選

イラスト付きで見やすい本です。パパママの「性教育ってどうしたらいいの?」というお悩みにぴったり。

1. 『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』著:のじま なみ
2. 『おうち性教育はじめます』著:フクチ マミ
3. 『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』著:のじま なみ

3~10歳向けの絵本5選

以下はオススメの絵本です。主な内容は自分を大事にすること、プライベートゾーンの話、「NO」と言えるようになること。3つの大事な話が分かりやすく描かれています。

1. 『わたしのはなし(おかあさんとみる性の本)』著:山本 直英
2. 『ぼくのはなし(おかあさんとみる性の本)』著:和歌山 静子
3. 『とにかくさけんでにげるんだ わるい人から身をまもる本』著:ベティー ボガホールド
4. 『いいタッチわるいタッチ』著:安藤 由紀
5. 『おちんちんのえほん (からだとこころのえほん)』著:やまもと なおひで

絵本を見ながら親子で話すと、子ども自身も性に関する話をしやすくなるようです。我が家は今まで性教育の必要性は感じつつ、何をしたらいいかわからない状態でした。

しかし6歳になる娘へプライベートゾーンの話をすると、娘からお友達からふざけて触られて嫌だったことを話してくれました。

「大事なところだから、見せてと言われたり触られたら「やめて」としっかり言うんだよ」という話をしなかったら、恐らく娘は「人に言えない嫌な経験」と心の奥に閉じ込めてしまったかもしません。

今後は親子で絵本を読みながら「自分の体は大事なものだよ」と理解を深めていきたいと思っています。

小学生以上(10歳〜)におすすめの本

体が成長し、恋愛やセックスに興味が出てくる年頃の10代。性への正しい知識を身につける必要があります。

1. 『イラスト版10歳からの性教育ー子どもとマスターする51の性のしくみと命のだいじ』著:“人間と性”教育研究所
2. 『マンガでわかるオトコの子の「性」』著:染矢 明日香
3. 『13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと』著:やまがた てるえ

大切なのは「性への正しい考え方」を、気軽に得られる環境作りです。そのために家庭に1冊、性教育に関する本を置いておくのがオススメです。

入り口がAVにならないように

pixabay

動画やSNSを見ることが当たり前の日常で、子どもたちは予期せぬところで性の情報を受けとります。なかには悪意のある過激な映像や画像もあり、親としては気を付けたいところ。

そもそも、なぜ動画やSNSのアダルトなコンテンツが性教育に向いていないのか。それは「身体と心を大事にする」という視点が抜けてしまっているからです。低年齢の頃から性教育をすると、動画などのアダルトコンテンツが現実ではないことを判断できるようになります。しかしAVなどが入り口になってしまうと、あたかもその過激な内容が見本であるかのように見えるのです。

日本の性教育は遅れている

日本の学校は保守的な傾向にあり、性教育を公におこなうのを良しとしていません。学習指導要領では「妊娠の経過は取り扱わないものとする。」という規定があります。(参考:学習指導要領より)

2020年10月、公立中学校で先駆けて性教育についてディスカッションする授業が行われました。しかし、どういう状況で妊娠をするかなど、性行為や避妊までは生徒たちに指導されていません。
一方で子どもたちは、性への情報を容易に得られる環境にいます。学校の性教育と現代の子どもたちの取得する情報量に、ズレがあるのが問題点として挙げられます。
日本でも性教育の先進国であるヨーロッパにならって、具体的な内容の授業を受けられる仕組みづくりが早急に求められているでしょう。

性を教えるのはタブーではない

日本では性に関して家庭で話すのを良しとしない、暗黙のルールがあります。
「性教育=セックスについて教える」とは思っていないでしょうか?日本で教育を受けた人なら、性教育と聞くと性行為を連想して抵抗があるかもしれません。

pixabay

しかし、性教育の目的は「性行為を教える」ではありません。見た目や、性の違いで差別しないための「人権を学ぶ教育」です。子どもたちが男女の違いやお互いの体ついて、生物学的に学ぶ機会。体のしくみの違いを知り「自分自身も相手も大事」にするための教育といえるでしょう。

性犯罪の抑止力になる

日頃から自分を大事にするための声かけをするのは防犯につながります。
以下が3つのポイントです。

● プライベートゾーンは他人に見せない・触らせない
● 嫌なことにはハッキリと「NO」と言う
● 見たがる人・触りたがる人は危険。大声を出して助けを呼ぶOR逃げる

子どもが被害を受ける性犯罪の多くは、身近な人からの加害です。しかも、子ども本人は性被害の自覚がありません。
子どもは身近な人物から加害されると、「自分が悪い子だからいけない」と自分を否定して責めてしまいます。しかし、絶対的に悪いのは性犯罪を加害した側。被害者では決してないのです。
性被害にあった子どもは自己肯定感が低く、性犯罪も仕方のないと周囲に相談できずにいる場合が多いそうです。
しかし3歳〜10歳のうちから性教育をはじめた場合、愛されて生まれてきた事実を素直に受け止められるようになります。

性教育は、自己肯定感を高める教育につながる、といえるでしょう。
(参考:『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』)

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