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学校欠席、情緒不安…1クラスに1人いる「ヤングケアラー 」とは

介護といえば、高齢になった親をケアする8050問題などをイメージしますが、学校に通いながら介護をする子どもも存在します。18歳未満でありながら親や兄弟の介護をする「ヤングケアラー 」の全国調査も開始しました。埼玉県の調査によるとその割合は高校生の25人に1人。つまり1クラスに1人いることになるわけです。

なぜ実態が掴めないのか

「友達などに知られたくない」という理由から、ヤングケアラーは自分の介護を周りに話そうとしないことが多くあり、親から口止めをされるケースもあります。しかし、最近は個人情報に敏感な時代。ちょっとでも事情を探ろうとすれば、トラブルになりかねず、家庭の様子を掴みにくいことも、ヤングケアラーの実態把握を阻止している要因です。

ただ、寝ているだけ…?

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部活とか勉強で疲れ、授業中に寝てしまった経験、多くの人はあると思います。先生から名指しで怒られてちょっと恥をかく、というだけなら良いですが、その注意が生徒を追い詰めるという可能性もあります。

寝る時間を削って親の介護にあたり、睡眠もまともに取れないまま学校へ。それで授業中に寝てしまうのも無理はありません。もちろん介護というのは、身の回りの世話だけでなく、料理や洗濯など家事全般も含まれます。そんな子どもが、先生から「怠惰である」という安易な考え方で注意された時、どう感じるでしょうか。

実際に毎日新聞などの調査によると、生活への支障について「学校を休みがち」「部活などの課外授業ができない」「情緒が不安定」といった声が上位にあがり、身体的にも精神的にもダメージも起きていることが分かります。またBBCのインタビューに答える16歳のトーマスさんは「周りの子より早く大人にならないといけないと感じていました。何年も前に子ども時代は終わっています」と胸の内を語っています。自立してサポートしなければいけない、というプレッシャーも抱えているのです。

コロナで孤立感も

ヤングケアラー を取り巻く環境はコロナでさらに悪化。トーマスさんは先ほどの話に加え「それまであった支援のネットワークが無くなった」とも話しています。Carers Trustが行ったアンケートによると、回答したヤングケアラーの約70%が、コロナ発生以降、友達と連絡を取りづらくなったといい、孤立感やストレスをより感じるようになったと、結果を明らかにしています。

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もし実際に、自分が中学生や高校生の時に、友達から「親の介護で…」と打ち明けられたら、イメージも湧かなければ、どうしたらいいの?と感じてしまうと思います。
ここまで苦しめられているヤングケアラーに、救いの手はあるのでしょうか。

まずは保健室に相談する

自分に打ち明けられた時、どういう対応ができるでしょうか。話を聞きつつも、保健室の先生をオススメするのがいいかと思います。生徒の悩みや不調に対応してくれる体調変化・精神サポートのプロなので、最初の相談相手に最適ではないでしょうか。

「忘れ物多い」という兆候に気づく

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実際に、本人から積極的に打ち明けてくれることはなかなかありません。ある研究では、ヤングケアラーの生徒は「宿題や書類などの忘れ物が多い」という兆候があるそうです。教員や周りの人間は、そうした兆候に注意することも、大事な視点です。先ほども書きましたが、寝ている生徒にも要注意。授業の場で怒ることなく、個別で対応がベストかもしれません。

ヤングケアラー であることがわかっている場合は、まさにコロナで普及しつつあるオンラインの活用時です。特に通学に1時間前後かかっているようなら、なおさら自宅から学習できる環境を整えてあげることは救いになります。

参考記事↓

また最後に、親として健康に気をつけることも、将来子どもをヤングケアラー にさせないために出来ることです。

「羅針盤」運営者。 経済誌の記者/編集者としても働く20代。子どもや学校の話に高い関心あり。 Twitter @ntsuyuhara