2022年度から小学校で英語・算数・理科に専門教員を導入する「教科担任制」という案が議論されています。今回は一保護者としての立場から、教科担任制についての私見を書きます。
この記事の書き手
都内在住の40代会社員女性。
2児の母
5割の学校が専門教員を置く「理科」
文部科学省のデータによると、理科は、音楽に続き教科担任制を採用している学校が多い教科です。平成30年現在、小学6年生の理科は約半数の学校で教科担任制が実施されています。
5、6年生の理科ではメダカを引き合いに生命の誕生や、電流について学びます。実際に私の子どもが通う小学校では、例年5年生の時、1年を通してメダカの飼育がおこなわれます。授業の準備では、教科の内容だけでなく、機材のチェックなども必要です。
例えば電気の実験では、事前に豆電球が切れていないかなどを確認する必要があります。既に5割近い学校が理科の教科担任制を採用していた理由は、このように継続的な取り組みや、事前準備が多い教科故でしょう。
英語の教科担当制にも賛成です。英語の授業に対して語学力アップだけでなく、「世界に目をむけるきっかけ」になることを期待しているからです。
世界の人々と交流した国際経験を持つ先生や、英語を母語としたネイティブの教科担任から教わることに私は賛成です。
2組を3クラスに。「算数」の理解度別授業
算数は授業数が多く、理解度の個人差が大きく表れる教科です。高度なスキルを持つ教科担任が多数の子どもを画一的に教えることよりも、理解度別の少人数指導の方が、学力定着には効果的だと思います。
私がこのような考えを持つようになったのは、子どもたちが通う小学校で少人数学習を取り入れていたからです。
各学期で1、2回、クラス分けテストを行い、2組約50名の児童を3クラスに分けます。
①ぐんぐんクラス20-25名程度
②ばっちりクラス20-25名程度
③じっくりクラス10-5名程度

各クラスは「量」以外全て同じ授業内容です。じっくりクラスでは少人数でアットホームな雰囲気の中、先生が丁寧に指導します。黒板の前で講義をする先生と児童の横に座る先生とで役割分担しながら進める授業も行います。個人塾のようなきめ細かいサポートを公立小学校の授業で実施している様子がとても好印象でした。
ばっちりクラスは、一般的なイメージの、先生から授業を受けるスタイルです。ぐんぐんクラスは、「ミニ先生」制度を採用していました。サポートを求める友達に、ミニ先生は教室内を自由に移動し、解き方を教えます。ミニ先生には、早く問題を解き終えた生徒がなります。
我が子は、「○○さんの教え方は、めっちゃ分かりやすい。」「○○さんの方が分かりやすいけれど、△△さんは難しい問題を解くときに寄り添ってくれる感じがいいんだよね-。」と友人の特性を見つけていました。
少人数指導には、子どもに応じた理解度の定着と、運営方法によっては子ども同士の助け合いや個性発見につながるなどの利点が見られました。こうした事例から算数は教科担任制ではなく、理解度別少人数指導を採用することを私はオススメします。