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【9月入学どう考える?】「春」入学が持つ意義

学校が休校となり、子どもや生徒が教育を受ける機会が損なわれる中で、入学時期の議論が巻き起こりました。新聞などメディアでの世論調査では、「9月入学」には賛成が多数との結果が出ていますが、4月の入学を継続する方が良いのでは。そう考える理由を明示していきます。

賛成56%、若い世代ほど高い

日本経済新聞社の世論調査では、学校の入学や始業を9月にする案への「賛成」は56%、「反対」は32%でした。

若い世代ほど賛成する傾向があり、18~39歳は賛成が66%、40~50歳代は59%と示されています。(2020年5月10日の日経新聞より)

大阪吉村知事の「日本の未来を考えた時に今やるべき」や安倍首相の「前広に検討していきたい」など、テレビを始めとするメディアでの発言が9月入学推進の追い風になっていると考えられます。

情・季節感に目を向ける

しかしまったく異なる視点として、日本人が内面に強く持っている、情や「春」に対する季節感にも目を向けたいと思います。

メディアでインタビューを受けていた生徒の一人は、9月入学について「春という季節の中、満開に咲き誇る美しい桜の下で入学を迎えたい」と話していました。

一生懸命に勉強を重ね、冬の寒さに耐えながら合格を勝ち取った後、入学の頃に桜が咲く。そうした季節のうつろいが、日本人の心に響くようです。

春という季節、桜という花、日本固有の風土と情感を視点とする場合、4月入学に賛同する支持層がいることも十分に理解できます。

9月入学を議論する場合、教育の効果やメリット、デメリットが中心的な論点となりますが、これまで述べてきたように、理屈では語れない「日本人の春や桜に対する情感」にも注意を向けてほしいと思います。

夏にイベントは危険

もう一つ懸念するのは、学校のビッグイベントが夏に集中するということです。

受験や入学式、卒業式が、春から夏に移るのは、子どもたちの健康面に決して良いとは思いません。もちろん教室はクーラーが効いてると想定できますし、式の行われる体育館も炎天下の下ではありません。

しかし、7月、8月に、何度も受験のために会場に行き、また、何度も卒業式の練習で学校に駆り出され、入学に向けて準備をする。この猛暑の中にイベントを詰め込むリスクを考える必要があります。

入学式卒業式、受験をどうするか。議論を尽くさなければなりません。

最も優先されるべき子どもたちや学生の安全面まで考慮した時、4月入学を継続した方が良いと考えます。

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「羅針盤」運営者。 経済誌の記者/編集者としても働く20代。子どもや学校の話に高い関心あり。 Twitter @ntsuyuhara